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三輪 幸夫; 塚田 隆; 實川 資朗
Proceedings of 12th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems-Water Reactors (CD-ROM), p.311 - 318, 2005/00
熱鋭敏化又は照射した316LNステンレス鋼の応力腐食割れに影響する塑性変形挙動を調べた。熱鋭敏化は1033Kで100hとし、中性子照射は473kで1dpaまで行った。これらの試験片に対して、溶存酸素を含む573Kの高温水中にて低ひずみ速度試験を行い、粒界割れ破面率と塑性変形挙動の関係を比較した。真応力-真ひずみ関係でみると、照射材でのひずみ硬化率や照射誘起応力腐食割れ(IASCC)を生じる真応力などの塑性変形挙動は、熱鋭敏化材での塑性変形挙動と同じであった。さらに、粒界割れ破面率に及ぼす歪み速度の影響も同じであった。これらの結果から、1dpa程度まで照射した試験片では、IASCCの発生機構は、熱鋭敏化材の粒界型応力腐食割れ発生機構と同様であると考えられた。
菊地 賢司; 手塚 正雄*; 斎藤 滋; 大井川 宏之; 武田 靖*
Proceedings of 4th International Symposium on Ultrasonic Doppler Method for Fluid Mechanics and Fluid Engineering (ISUD-4), p.107 - 110, 2004/09
ADS概念の核破砕ターゲット及び冷却材である鉛ビスマス流速を超音波ドップラーで測定するために超音波の透過性を検証した。鋼をLBE中に浸すと、LBEは自由液面近傍のガス,液体、固体共存部を除けば鋼に接触する。この接触部を通じて超音波は鋼を介してLBEに伝達されると期待される。しかし、超音波のエコーはあまりに低く、測定できなかった。測定が成功したのは、鋼とLBE界面にあるコーテングを施した場合のみであった。LBE浸食試験の結果、鋼表面層には10から20mのLBEが付着して残存したことがわかった。これは、本コーテングの結果、LBE中での鋼の濡れ性が確保されたことを示す証拠である。その結果、超音波技術が適用可能になることを明らかにした。
井岡 郁夫; 二川 正敏; 内藤 明; 南条 吉保*; 木内 清; 直江 崇*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1142 - 1146, 2004/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)応力下でイオン照射したオーステナイトステンレス鋼の機械的特性を、微小押し込み試験により得られた荷重-押し込み深さ曲線をもとに、有限要素法を用いた逆解析により求めた。無負荷で照射したものと比較し、負荷応力材では0.2%耐力,引張強さの増加と伸びの減少を示した。また、負荷応力が大きいほど、非照射領域に対する照射領域の硬さの比は、小さくなった。これは、応力負荷により導入された転位と照射による格子欠陥等との相互作用により、照射二次欠陥の成長が抑制されたものと考えられる。
菊地 賢司; 倉田 有司; 斎藤 滋; 二川 正敏; 佐々 敏信; 大井川 宏之; 若井 栄一; 三浦 邦明*
Journal of Nuclear Materials, 318(1-3), p.348 - 354, 2003/05
被引用回数:28 パーセンタイル:84.98(Materials Science, Multidisciplinary)流動鉛ビスマス条件で、オーステナイト・ステンレス鋼の腐食試験を3000時間実施した。試験材はSS316は外径13.8mmの管であり、最高温度450C,温度差50C,流速1m/sである。試験後、管を切断し、光学顕微鏡、SEM,EDX,WDX,X線回折により分析した。鉛ビスマスはドレン後も、配管内部に付着していた。流動条件下での腐食量は0.1mm/3000時間であり、内面は凹凸が激しい。高温から低温部に質量の移行が観察され、低温部にはFe-Crの結晶粒が析出していた。粒径は0.10.2mmであり、化学組成は鉄:クロムが9:1であった。これらの結果は、静的な腐食試験では観察されず、流動試験で始めて見出された。
井岡 郁夫; 須賀 正孝*; 永瀬 文久; 二川 正敏; 木内 清
JAERI-Tech 2001-013, 111 Pages, 2001/03
発電炉の超高燃焼度化において、耐久性に優れた被覆管材料の開発は最重要課題である。高燃焼度用ジルカロイ被覆管の開発経緯、現用ジルカロイの事故時を含む安全性評価の考え方、超高燃焼度燃料用被覆管の候補材の一次絞り込み及び被覆管としての安全裕度の付加の観点から被覆管表面の改質技術について基礎調査を行った。ジルカロイを含むジルコニウム合金の開発経緯から、従来の耐食性模擬試験(炉外試験)ではジルカロイ合金の炉内での腐食を比較、評価することが困難であり、実環境下での被覆管の耐食性支配因子の解明と実施条件を模擬した試験技術の開発が望まれる。反応度事故(RIA)や冷却剤喪失事故(LOCA)時の観点から、重照射場・温度傾斜場での高温水腐食によるジルコニウム合金の脆化は高燃焼度化の支配因子と考えられる。超高燃焼度燃料用被覆管の候補材としては、実用性の高い耐食金属材料の調査、基礎評価をもとに、今後の開発・改良が見込まれる安定オーステナイトステンレス鋼と中低温で水素固溶限が大きく、耐食性の改善が期待されるニオブ合金を選定した。
實川 資朗; 井岡 郁夫; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 271-272, p.167 - 172, 1999/00
被引用回数:6 パーセンタイル:45.57(Materials Science, Multidisciplinary)オーステナイトステンレス鋼は核融合実験炉に使用されることになっているが、受ける照射損傷のレベル及び温度はコンポーネントにより異なる。一方、これまで得られた結果の照射条件は限られているため、照射損傷レベル等に関して機械的性質の内挿や外挿が要求され得る。外挿のための考えを得るため、照射による機械的性質の変化の結果を、照射量、照射温度、核変換生成ヘリウム量及び材料組成の点から、照射誘起応力腐食割れも含めてレビューする。主なデータのソースは原研とORNLによるHFIRでの共同照射実験結果である。また、照射を受けた構造物の強度の推定に有用と考えられるシミュレーションの方法についても言及する。
井岡 郁夫; 二川 正敏; 涌井 隆*
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 9 Pages, 1999/00
強力中性子源のターゲット材料として考えられている液体水銀用容器は、厳しい照射損傷を受ける。この環境を模擬するため、高崎研のトリプルイオンビーム装置を用いた。イオン照射による損傷領域は試料の表面近傍なので、ナノインデンテーション法と有限要素法を組合せた損傷領域の特性評価を試みた。イオン照射は、オーステナイトステンレス鋼に対して、200Cでシングル(Ni)及びデュアル(Ni,He)で行った。ナノインデンテーション法では、負荷時及び除荷時のイオン照射面からの圧子の押込深さと荷重(L-D曲線)を連続的に測定した。有限要素法により得られるL-D曲線が実験結果と一致するように損傷領域の構成方程式を決定した。得られた構成方程式を用いて中性子照射材(200C、18dpa)の応力-伸び曲線を有限要素法で求め、実験結果と比較し、良好な一致を得た。
塚田 隆
JAERI-Research 98-007, 187 Pages, 1998/03
炉内構造物の経年的な劣化・損傷機構の一つである、照射誘起応力腐食割れ(IASCC)に関する研究を行った。IASCCは現用発電炉の損傷要因であるだけでなく、放射線と腐食の作用が共存する系の共通問題である。本研究では、IASCCの発生と材料及び環境条件の関係を明らかにし、その発生機構の検討を目的とした。このため、2種類の異なる供試材:(1)研究炉JRR-3M及び材料試験炉JMTRで照射したモデルステンレス鋼、(2)米国オークリッジ研究炉ORRでスペクトル調整照射したステンレス鋼、(3)高速実験炉「常陽」燃料集合体のラッパー管ステンレス鋼を用いて、高温水中応力腐食割れ試験及び電気化学腐食試験等を実施した。その結果、IASCCに及ぼす添加合金元素の効果、照射・照射後試験温度の効果、材料の焼鈍・冷間加工の効果等について詳しい知見を得た。さらに、炉内構造物のIASCCに対処する方策を考察した。
浜田 省三; 三輪 幸夫; 八巻 大樹; 片野 吉男; 中沢 哲也; 野田 健治
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.383 - 387, 1998/00
被引用回数:18 パーセンタイル:79.15(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉の照射環境を模擬した照射実験を行い、材料の微細組織変化に及ぼす同時照射効果を明らかにする。このために、材料研究部で設計・開発し、製作した後、高崎研の複合ビーム棟に設置したトリプルビーム照射実験装置について、その性質、仕様、特徴ならびにこの装置を用いて得られた成果の一部について報告する。
井岡 郁夫; 内藤 明; 芝 清之; 實川 資朗; J.P.Robertson*; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1664 - 1668, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:24.49(Materials Science, Multidisciplinary)ITER第一壁構造部の候補材であるオーステナイト鋼の力学的特性を調べた。比較のため、イオン照射したTEMディスクの焼鈍後の硬さも調べた。供試材は、耐スエリング性を向上させたJPCA(改良SUS316)の溶体化処理材(SA材)と15%冷間加工材(CW材)である。平行部が7.6l12.5w0.75tmmの板状引張試験片をHFIRにおいて照射した。照射温度200C、照射量約10dpa、He濃度は約100appmとした。焼鈍は、500C、真空中で8時間行った。引張試験は200C、真空中で行い、変形速度は0.5mm/minである。TEMディスクは、12MeVのNiイオンで200C、30dpaまで照射し、焼鈍後の硬さをマイクロビッカーズで測定した。SA材は、焼鈍により降伏応力及び引張強さの低下、加工硬化率の増加が認められたが、均一伸び及び全伸びに関しては、照射材とほとんど変わらなかった。一方、CW材は、焼鈍により降伏応力及び引張強さの低下、均一伸び及び全伸びの増加が認められ、降伏後も顕著な加工硬化を示すようになった。イオン照射材においても、焼鈍により硬さの減少が認められた。
木内 清; 石山 孝; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.477 - 480, 1991/00
被引用回数:2 パーセンタイル:31.89(Materials Science, Multidisciplinary)水冷却型核融合炉の第一壁に使用する構造材料には、耐照射性や機械的性質及び高熱流束下の健全性等の諸性質と共に高温水との両立性を合わせもつ総合特性が要求される。そこでIASCC等の重照射腐食の原因となる低温鋭敏化を起こしにくいように、オーステナイトの相安定性の向上と清浄化を計り、さらに既開発のSAR法と呼ばれる加工熱処理法により改質したオーステナイトステンレス鋼を開発した。その試作合金について、上記に関連した基本特性を、JIS規格腐食試験、1MeV電子線照射試験、定速低歪速度引張り試験及び水素ビーム照射試験等により調べた。この結果、試作合金は、SUS316鋼に比較して耐スウェリング性が大巾に改善されると共に、PCAのように高熱流束下で割れを起し易いような問題も無く、また細粒化と分散強化の両効果により、中高温の機械的性質も優れていることが明らかとなった。
浜田 省三; 鈴木 雅秀; P.J.Maziasz*; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.515 - 518, 1991/00
被引用回数:8 パーセンタイル:66.05(Materials Science, Multidisciplinary)中性子照射によるスエリングに及ぼす析出物の影響を調べるために、オーステナイトステンレス鋼をHFIRで300~500Cで最大57dpa(~4500appm He)まで照射し微細組織を観察した。実験に用いた試料は改良ステンレス鋼(JPCA)、Type316、2つの低炭素鋼の溶体化処理材(SA)および20%冷間加工材(CW)である。400C以下の照射温度では観察される析出物は少なく、スエリングは材料や照射前処理に依存せず小さい。500CでSAではスエリングは、特に低炭素鋼において、大きい。すべての材料で粗大化したMCやMCが観察され、低炭素鋼では間化合物も観察された。CWではJPCAがスエリングが最も小さく、小さなMCが母相内に均一に観察された。これにより57dpaまでの高照射によってもCWではMCが安定に母相内に存在し、スエリング抑制効果を十分に残していることが明らかになった。
木内 清; 菊地 正彦; 近藤 達男
耐熱金属材料第123委員会研究報告 29(2), p.177 - 188, 1988/00
SUS316等のオーステナイトステンレス鋼は、原子炉炉心構造材料に使用されているが、元来実用温度におけるオーステナイトの相安定性が低い材料である。特に重照射高温水環境のように多重の格子欠陥の生成を伴う低温超時間時効条件下では、炭化物析出に伴う鋭敏化と共に相変化やそれに付適した材質劣化が懸念される。加工及び熱処理等の中間製造工程を変えたSUS304及びSUS316の市販組成材について、0~50%の冷間加工を加え300~650Cの範囲で最高1万時間までの時効を行い、金属組織変化と耐食性及び機械的性質の関連性を検討した。
木内 清; 辻 宏和; 近藤 達男
JAERI-M 8786, 19 Pages, 1980/03
BWR系軽水炉では、溶接熱影響部で生じるオーステナイトステンレス鋼のIGSCCが最も重要な問題であり、多くの対策が検討されて来た。抜本的な解決法は、合金改良によりIGSCCを生じない材料を作ることである。このために低炭素、N添加の材料が試作されているが、合金の組成を考えた場合、設計コード等のデータベースの確立など実用化迄にかなりの日時と経費を要する。本報の手段は、合金組成は全く変えずに加工熱処理のみにより同様な効果を得ようとするものである。この手段は、完全に溶体化処理した素材に十分な加工を加えた後、まず再結晶温度以下の時効温度で十分析出を完了させ、さらにより高温で再結晶を行う方法である。この方法により生じた粒界は、析出物と無関係に存在し、鋭数化処理を施しても粒界SCC感受性を生じないことが分った。IGSCC感受性については、Strauss始め、多くの評価手段を用いて無処理剤と加工熱処理材との対比試験を行ない、最適条件の加工熱処理法を得た。
中島 甫; 菊山 紀彦; 新藤 雅美; 鈴木 富男; 菊地 正彦; 小川 豊; 牧野 幸治; 近藤 達男
JAERI-M 6100, 16 Pages, 1975/04
軽水炉の炉内条件を想定した高温高圧純水中で、オーステナイトステンレス鋼の交番応力下の亀裂の伝播試験を行った。試験片に作用する台形波の最大荷重時における保持時間を種々に変化させることを利用して、亀裂の伝播のうち荷重の静応力成分によって生ずると考えられる応力腐食割れ効果による亀裂の伝播速度を評価することを試みた。適当な溶存酸素濃度と試験条件を選ぶことによって求めた結果から応力腐食割れと腐食疲労との重畳効果としての割れ進展を考えることが出来ることを示し、こうした機構にもとずいて破壊のモデルを考えることの重要性も合せて指摘した。
柴田 勝之; 川村 隆一
日本機械学会講演論文集, (710-9), p.93 - 96, 1971/00
現在・動燃事業団が建設に着手している高速実験炉の一次系構造材料はステンレス鋼が主として使用される。高速増殖炉においては,周知のごとく,液体ナトリウム冷却,中性子照射という特殊条件のもとに設計がなされねばならず,さらに,600に近い温度で使用される。このように非常に厳しい使用条件のもとに設計がなざれるいっぽう,原子炉という特殊装置としての高い安全性が要求されるため,安全性の評価もさまざまな観点からなされなけねぱならない。
橘内 裕寿*; 笠原 茂樹; 知見 康弘; 西山 裕孝; 茶谷 一宏*; 越石 正人*
no journal, ,
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)機構の検討に資することを目的として、照射ステンレス鋼に特有な局所変形組織とその表面に形成した酸化皮膜を詳細観察した。JMTRで中性子照射したSUS316Lにひずみを与え、表面組織の変化と局所的な結晶方位の変化について走査型電子顕微鏡(SEM)及び電子線後方散乱回折法(EBSD)を用いて観察・評価した。さらに、ひずみ付与した試験片を高温水中に浸漬し、浸漬前の表面分析結果を参考に観察位置を選定して表面に生成された酸化皮膜をSEM及びエネルギー分散型X線分析器(EDX)を用いて観察・組成分析した。その結果、照射量及びひずみ付与量に応じて試験片表面にステップ状の組織の形成が認められ、結晶粒界に局所的なひずみ蓄積が示唆される結果が得られた。また、照射ステンレス鋼表面に生成された酸化皮膜は非照射材よりも厚くなる傾向が見られた。発表では、表面ステップの発現について定量的に評価するとともに、照射ステンレス鋼の応力-ひずみ曲線で見られる降伏点降下との相関について議論する。
若井 栄一; 高屋 茂; 永江 勇二; 鈴土 知明; 平出 哲也; 松井 義典; 野上 修平*; 長谷川 晃*; 阿部 弘亨*; 岩井 岳夫*; et al.
no journal, ,
オーステナイト鋼やフェライト鋼は様々な原子力材料や加速器ターゲット材料等に使用されている。これらの材料は照射によって微細組織や強度特性が変化し、DPAやHe生成量による影響を受けることが知られている。本研究は様々な照射手法を用いDPAとHe生成量に関する引張、クリープ特性等の変化を明らかにすることを目的とした。本研究の供用材には、316鋼, ボロン添加した316鋼, 304鋼、及びHCM12A鋼を用いた。500Cから600Cの温度領域で原子炉照射にJOYOとJRR-3Mの照射、東北大学サイクロトロンによるHe注入、東京大学HITイオン照射などを実施した。DPAの増加に伴って照射硬化量が増加し、He生成量の増加に伴い、その割合が増える傾向にあった。He量の増加に伴い、その寿命が低下すると共に、DPA増加によってもその低下が大きくなることが分かった。He生成量が増えた材料の破面では粒界割れの発生が見られた。一方、照射組織に関してはサイクロトロンでHe注入したこれらの鋼で空孔型クラスターに対するミクロ組織と陽電子寿命測定の結果では、フェライト鋼の方がより大きなクラスターが存在する正の相関を示す結果を得た。
若井 栄一; 高屋 茂; 永江 勇二; 平出 哲也; 松井 義典; 野上 修平*; 長谷川 晃*; 青砥 紀身
no journal, ,
オーステナイトステンレス鋼とフェライト鋼における照射損傷組織等に及ぼすDPAとHe生成量の効果を調べるため、JRR-3M炉照射、及びサイクロトロンによるHe注入などを実施し、HeとDPAが照射損傷組織などに及ぼす影響について、TEM法や陽電子消滅寿命測定法(PALS)により定性的な挙動変化を調べた。その結果、316FR鋼ではHe注入量の増加に伴って30appm以上の注入材において陽電子消滅寿命がかなり増加する傾向にあり、TEMで観察したキャビティの形成と強い相関を持つことが分かった。一方、HCM12A鋼では、低いHe注入量領域でも陽電子寿命が増加した。また、JRR-3照射した316FR鋼では、約10nmのキャビティが粒内に観察され、陽電子消滅寿命がやや増加することが分かった。